終のアンプ

このアンプの改造でアンプの制作を完了するつもりです。
全ての妥協を排除して制作しました。

以前に制作したユニバーサルアンプ

以前に制作したユニバーサルアンプ
制作後真空管を一通り取り替えて音の違いを体験しました。
驚いたことにブランドが変ると音もまるっきり変わります。

ドライブが弱いので出力管が表面的な動作をしているのでしょう。
解体したWE-274A-349A-300Bシングルアンプ
300Bシングルアンプ
試作で6Sn7(パラ)を使いましたが
出力管をVT52に変えると音色は中抜けのような感じで今ひとつでした。
やはりWE-300B以外考えられないとの結論でした。

しかし6SN7をチョーク負荷のWE-349Aに替えると音質は一変、深みが加わりました。
VT52(HYTRON)に戻すと300Bと遜色ないのです。
7割は ドライバの音が反映されるようです。

WE本来の音を求めてWE-300Bを用いるのであれば最低限ドライバーも同じWE製を使うべきと思います。

佐久間アンプは50ドライブの50のようにドライバーも出力管も同じものを使用しています。
50本来の音を求めるのであればこの方法が正解だとおもいます。

元のユニバーサルアンプは好みからWE-349AとRCA45になってしまいました。
349Aアンプは他に一台あり、結局45専用となりました。
音は悪くはないのですが大掛かりのわりにインパクトの無いアンプでした。

私も歳でこれから作ることも無いので思い切って改造することにしました。
これが終のアンプになると・・・。

新しく作り替えたアンプ

作り替えた45アンプ
構成は3段で6dbのNFBを、WE-349Aと終段は45(VT-52)、欲張って2A3、300Bも可能とした。

初段は音の良い6072Aを使いたかったが手持ちが少なく入手も困難で断念。
同じレベルでは6Dj8しか見当たらない。

6072Aはイコライザーやマイクアンプに使われ小電流で音質に定評がある、6Dj8は小電流では不安定、メーカーやロットごとに音質が異なって聞こえる。神経質な音。
5mA以上で動作させると安定し、音のブランド差も無くなってきます。

改造と言っても外部ケース以外は全て作り直しです。
取り付け穴などを合わさなければならないので新作の方が楽です。

ST管シールドケースは内部演出用LED

奥6Dj8はブロック単位で配線、上部に抜き取りメンテナスする。

後面の箱も当初流用したため、穴の関係で入力関係の部品配置に妥協しました。
取り換え前の後面
取り換え前の後面
この手抜きのしっぺ返しは大きく、ボリューム途中で音が小さくなる現象が起き、部品の不良と思い交換、変化なく6Dj8の局部発振と判明しました。
やむなく裏面の箱も新しく制作、部品位置を変更しました。
取り換え後の後面

初段はRchに6Dj8の第1ユニットのみ使用する、Lchには第2ユニットを使用、選別試験でより良いユニットの方を選びます。(使わないユニットはK、G、P共接地する)

次段349Aとは直結、349Aはチョーク負荷、6Dj8のヒーター切れ等、故障による過大電流が心配で実測しました。
ヒーター断で25mA、チョークの焼損の恐れは無い。

チョーク負荷の為電源に音声信号が回り込むこともなく安定に動作します。
電源も下記のとおり分離しているのでとても静かなアンプです。
45/2a3シングルアンプ電源
出力管を交換の影響が無いようにドライバー部と終段電源を完全に分離。

それぞれにFETリップルフィルター、負荷を軽くするためチョークも投入しています。
配線前の銅釘によるオリジナルの基板、電圧計は90mm古くてもNOS、作りが丁寧ですね(eBayで入手)
電源内部
ノグチPMC-170Mを逆さに取り付け、タップ変更も可能としました。

使用コンデンサー

本体 6Dj8のバイパスはOSコン、他全てフイルム、一部スチロールを併用。
独立電源 全てフイルム
独立ヒーター電源 ケミコン(アルミ)

保護のためヒューズを入れています(普通品、ショート時、ヒューズが切れる前にFETが昇天する可能性あるので容易に取り換え可能な構造にした)音声信号が通らないので音質に影響ない。

几帳面な方々が制作される結束された直角配線例、綺麗ですね。

サンプル

でもパーツの温度上昇による膨張、収縮対策が無いものも多い、音質にもメリットは無く後日、部品交換、配線図が無いと確認のためバラす必要があるので嫌い、機能的に分け、メンテの事を考えてラフな配線してます(ピンでも吸収できるが抵抗は一直線で配線しない)。
電源内部1
電源内部
電源内部2
通常の45とVT52、2A3切り替えはドロップ抵抗、およびカソード抵抗の切り替えで対応。
ヒーターは効率優先でトランスとスライダックを併用しています。

ACアウトレットも嫌いで使いません。

ケースはアルミ5052、2mm厚、材料屋で曲げてもらいました。
放熱用の穴は底板のみ上部は埃対策で未加工、後部上の2mmの板厚の隙間を利用しました。

他の実験用に同時2台制作。

前パネルは真鍮3mm自分で腐蝕加工しました。
パネル
ACコンセントはヒーターONによって本体電源を起動させるため

ヒーター部電源
大容量ケミコンと25mH/5Aの大型チョークを投入、FETでソフトスタート。

2V~7Vまで連続可変、微調整可、12V電圧計は70mm新品で国産特注品。

45でも交流点火では静かな環境でハム音は気になります。
100dbを超えるスピーカーでは直流点火は必須です。

本アンプWE349a→HYTRON-VT52と前のアンプ6SL7→WE-VT52との直接比較は出来ませんが本アンプの方が明らかに聴き取りやすく、歌手が目の前にいるようです。

当初回路図をアップしておきます。

解りにくいです。独善ゆえ参考(構成)だけにしてください。
画像をが間違っていたので差し替(2019-11)えました。

手持ち部品使用の為最適数値ではありません。

電源は複雑ですが信号系は極めて単純、最短距離です。

f特は6dbのNFBで20~100Khzまでフラット、その上は理想的に降下します。
裸特性はOPTタムラF2005(内臓)の特性そのものでした。

349Aチョーク(310h)の上の抵抗はDCR分を表示


回路図1
回路図2

WE-300B、274A、 RCA50、昔買い込んだ多くの球を処分して現在手元に残したのはWE349Aと各種45、MT管ではGE-6072A
近年購入は6N6Pと6Dj8、出力管では最近品質が良くなったエレハモの2A3だけです。

6Dj8はノイズが少く、信頼性も高く動作の安定したオシロスコープ用がなぜか格安で手に入りました。

「オシロ用6Dj8はオーディオ用ではないので音が悪い」と言う方がいるそうだ?
音が悪いことは歪む??(そもそも6Dj8はオーディオ用途ではないのに)

他の買い手が無く、多量に必要ないと思ったが1口なので(落札)やってしまいました。
Toshiba 6DJ8 M3624 25本20000円 新同品
HPブランドAmperex 6DJ8   15本10000円 中古良品、新同多数
Tesla 7Dj8 16本 NOS 込み15000円(初めて購入、良い音、eBayで)

10万円テレビ用6Dj8、方や100万円以上のオシロ、どちらに良い球使いますか?
用途不明な6922より確実で安心と思いますが不思議ですね。

結果大正解でした。
友人より借用のラッパの画6Dj8と聞き分け不能、ノイズも問題なく少ない。
M3624も通測用品よりノイズが少ないようだ、駄耳では聞き分け出来ない。

Amperex に至っては同じ構造でもラッパの画が描いてあるだけで1本しか買えなくなります。

CCAとかいう神様みたいな球はこれ全部合わせても2本しか買えません。
6Dj8系はバラツキが大きく選別外品が多いので高価な球は避けた方が無難と思います。