使い勝手の良いラインセレクター

自分の部屋のシステムはプリアンプが無く小出力真空管のモノラルアンプ
(WE-349A(T)シングル)2台で駆動しています。
切り替えはジャックボードで差し替えていました。
音量調節はメインアンプの ボリウムです。
箱も無いバラックのため今回作り直します。
一応既製品も調べましたがこちらの要求を満たすものは無いようです。

ソースはテレビ(ボリウム要)、FM(出力インピーダンス高い、
ボリウム 不要)、SPACE DiVA(ライン受 ボリウム要 )
パソコン( ボリウム 不要)

将来はどうなるのか不明だがとりあえず1~3回路をボリウム付き
4~6をダイレクトに切り替えるようにする。
他人様の製作例を拝見するとマスターボリウム1個で調節されています。
コストは上がるが調整が面倒で回路ごとにボリウムを入れる。

使用部品

ボリウム
アルプス電気カーボンボリウムRKシリーズ
1軸2連 / A / 50KΩ / 0.05W
単連の物が店に在庫無い、気が変わって左右同時調節したくなるかも?
結局2連を6個も購入 。
ロータリースイッチ
厳密にいえば ノンショーテイング だが同レベルで切り替えるので
どちらでも良い、一般の製品で瞬時のショーテイングで壊れる物は無い。
店にノンショーテイングが在庫置いていないのでショーテイングを購入。
セイデンオーデイオセレクタ用32NEGシリーズ
SD-32NEG1-2-6 30°ON DC200V0.1A / 9.5mmφ
RCAジャック
これの選定に悩みました。
胡蝶蘭の部屋のラインセレクタの製作で220円の中国製を使いましたが
完成後のテストで穴が細く挿入できない物が2個、固く力のいる物が1個
あり往生しました。
このこともあり、特に+側の接触は音質の品質劣化につながりますので
思い切って奮発しました。
モガミ/8φ 7552ゴ-ルド赤/白 
電線類
全て手持ち品MIL規格品のテフロン線、共通線端子は手持ちの中古、サトー製
シャシ
配線を短くするため奥行10~12㎝の物を探したがマルツ(リード)で見つけました。
60x300x100 1.2tのアルミ製、裏蓋なし。
真鍮パネル、他
70x310で地元の工具店に発注しました。裏蓋も同時に注文。
ツマミはサトー製、ハンドルはタカチ。
ボリウム、ロータリスイッチなどは三栄電波、シャシ、小物はマルツで買いました。

シャシの加工

穴あけ加工はドリルとリーマの併用で行いました。
所定の寸法で難なく開けたまでは良かったがそれからが大変、
バリが取れない!!
ヤスリで擦ると穴の中に移動した→穴の中をリーマでさらうと穴の淵に
またヤスリ→リーマの繰り返し
繰り返すこと10回以上、何とか取れましたが材質が柔らかすぎだ!
所定の寸法より0.5mmほど広くなってしまった。
材の色は見慣れた5052 (52S) の白っぽい艶消しでなく、幾分反射を伴う深い白色だ。
購入したマルツで材質を確認… A1050P (純アルミ)だった
なぜこの材質を採用するのか理解に苦しむ。
アルマイト加工でも念頭に置いているのか?
箱自体は1.2tの厚み、その強度は??だ。
トランスを乗せるような用途には向かない。
シャシ材は皆5052 (ジュラルミン) 、と思っていたが認識不足だった。
5052は加工性が良く、強度もあり耐食性が良い。
(反面、表面が科学的に安定しているのでアルマイト等の表面処理ができない)
1mm厚の5052の方が強度がある。
純アルミは表面が活性が強く、汗を付けて放置すると腐食して白粉を生じる。
安価なハンダ飛沫も腐食の原因になるので注意。
このことを頭に置いて作業を進めなくてはならない。

裏蓋と側板の間に3mm程の隙間ができた。
この製品はそもそも裏蓋は使用しないことを前提になっている。
また製品を実測しないで裏蓋用の切り板を発注したのも誤算
100x300でなく正確には 97x300だった。
サンダーで削り取る作業が余分。
3mmの両側の隙間は手持ちの材料を切り取って内面より塞いだ。
内面塗装は必須で丁寧に。
(パネルの無い物は黒のハンマートンを用いますがパネル付きのBOXは
全てグレーの普通の塗料で塗っています)

真鍮パネルの製作

自作される方も多くいますがパネルを制作される方はあまりいない。
パネルは顔であり良い部品を使うので最後まできれいに仕上げたい。
ボリウムの位置決め穴がツマミが小さいと見えるので塞ぐ必要がある。
材料は3mmの真鍮板、地元の工具店に発注する。
切断はシャーリングでなくノコ切り、片面保護膜を指定する。
穴あけ作業はアルミシャシと重ねて加工した。
シャシとの合わせは4本のビスになるが見えると醜いのでタカチのハンドルを
介して止めている。
付属のビスはドライバーが使えないので6角レンチを使用するキャップボルトが必要です。
ボリウムの0点、ロータリースイッチの切り替え点をドリルで浅く掘る。
仕上げはお決まりの石ころブラストに牡蠣殻腐食、下塗りプライマー塗布後透明ラッカー吹き付けで完了。

腐食作業、白い物は蛎殻片
洗い流して塗装、実物はもっと黄色で程よい状態

配線

ハンダは非塩素系のalmit KR-19RMAを愛用しています。
線材はテフロン被覆でハンダ付は楽です。
-側は共通母線を張りまとめました。
アンプ作りも同じですが綺麗に束ねて見事な配線をなさる方がおります。
私は干渉の可能性のある線はなるべく離すようにラフな配線です。
余裕をもって配線する。
今回はボリウムをステレオ化する可能性があるので位置替え可能の長さにした。
その関係で使用しない対のボリウムも-側は配線した。
メンテナスを考慮して接続部はJ型、巻き付けない。
ハンダが固化する直前に線を引っ張ってハンダを介せずに接続できていることを確認する。
ハンダ付けの仕上げは汚れをアルコールで拭き取り、サンハヤトのハヤコートを小筆で丁寧に塗布する。
ボリウム周辺の塗布は注意して中に入らないようにする。

ネジの緩み止めにも使用します。
何十年でもハンダはピカピカ腐食は皆無です。
後の配線替え、部品の取替もハンダが直ぐに溶け楽です。
長く安定に使用するには必須の作業です。
安価なハンダのやりっ放しの物と20年後に比較してみてください。
その差に唖然とします。



配線

完成

配線の完了
一応導通、動作、絶縁の確認をする。
ノイズは入るわけが無く、ボリウムがチャンネル別のせいかセパレーションは完璧です。
個別に部品価格は書きませんでしたが25000円位です。
けっこう高くなりましたが中心になるので中途半端なことはできません。

完成 クラシック調ですね

外部配線は高級品を使用しておりません。
ラインセレクター→メインアンプ間はCANARE RCその他はCLASSIC PROを使っています。